| 重機が転倒し、民家を直撃! |
平成19年1月
船橋労働基準監督署 |
<災害発生状況>
この工事は、S造、9F建のマンション建築工事で、災害が発生したのは杭の打設作業前の準備段階であった。
計6本の杭を打設するが、災害発生前日までに3本の杭の打設を完了していた。災害発生当日、通算4本目の杭を打設するにあたり、現場は非常に狭隘なため、現場内に置いてあった当日使用しないケーシング(直径1700mm,重量2,361t)を現場外に搬出する必要があり、今回の事故はケーシングの搬出作業をしているときの事故である。
災害発生当日、当日使用しない直径1700mmのケーシングを現場から搬出し、当日使用する直径1500mmのケーシングを現場に搬入する予定であった。まず、アースドリルの補助ウインチを使用し、2本の玉掛ワイヤーにより直径1700mmのケーシングに玉掛し、同ケーシングを吊り上げた。なお、アースドリルの補助ウインチの吊り上げ荷重(作業半径6m以内)は2.95tであった。
地切り後、1メートル程度吊り上げたところ、アースドリルが転倒し始めたため、アースドリルのオペレーターは運転席から飛び降りた。
なお、同転倒事故により、隣接する民家の瓦屋根、外壁、ベランダ等が壊れ、数百万円の被害が発生した。 |
| 原因と対策 |
<原因>
転倒時のアースドリルにはケリーバと約1トンのドリリングバケットを装着し、ブームの長さ12.74m、ブームの傾斜角度58.5度、クローラ最小張出し2.49m、作業半径8m、この状態で補助ウインチに2本の玉掛ワイヤーを掛けて吊り上げを行っていたが、定格総荷重表によれば、ドリリングバケットを装着していなくても同じ状態であれば定格荷重は0.79tであり、実際には約1トンのドリリングバケットを装着していたことから、何も吊らない状態でも転倒のおそれがあったものであり、吊り上げ能力はなかったものである。
○定格荷重を超えて荷を吊っていたこと。(そもそも吊ることができない状態なのに荷を吊っていたこと)
○最大限にクローラを張出さずに作業を行っていたこと。
○移動式クレーン作業を行う前に、作業方法、転倒防止措置等の計画を立ててから作業をしていなかったこと。 |
<対策>
◇移動式クレーンに定格荷重を超える荷重をかけて使用しないこと。
◇拡幅式のクローラを有する移動式クレーンについては、最大限にクローラを張出し、作業を行うこと。
◇作業を行う前に、使用する移動式クレーンの能力、作業場所の状態等を考慮した適切な作業計画を策定し、関係者に周知した上で作業を行うこと。
◇各作業者への教育、安全管理を徹底すること。 |
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ドリリングバケットを装着している場合には、
荷の重量=バケット重量とみなされるので、
アースドリルのブームを寝かせる場合は、
ドリリングバケットを外してから行うこと。 |
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