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 道路建設工事現場の張出し足場の解体作業中に5層目から3層目に墜落、
   組立中の鉄筋(D32mm)が背中に突き刺さり死亡。
平成18年7月
船橋労働基準監督署
<災害発生状況>
 この工事は、総延長2,200mの道路建設工事で、災害が発生したのは内空幅11.0m、内空高7.3m、延長52.6mのボックスカルバー
トを築造している工事現場で、同ボックスカルバートの周囲には5層の枠組み足場が組んであり、東側と西側の枠組足場の5層目と3
層目の内側には張出し足場が組んであった。

 5層目の張出し足場には鋼製足場板(長さ4m)が4枚敷いてあり、三点支持した上に足場板の両端を重ね番線で固定していた。また、親綱が張ってあった。3層目の張出し足場には足場板が3枚敷いてあり、枠組足場側から数えて1枚目と2枚目の足場板の間にはほぼ30cm間隔で径32mmの鉄筋が設置されており、鉄筋の上端部は同足場板の上面から11?36cm飛び出ていた。また、鉄筋の上端部はキャップ等の養生がなされていなかった。

 災害発生当日、4箇所で作業を行っており、災害の発生した現場では「型枠の解体作業」「支保工の位置出し作業」「足場の解体作業」に13人の労働者が従事していた。足場の解体作業は5層目の張出し足場のみであり、東側と西側の2箇所に二人ずつの計4人で同時に作業を始めた。あらかじめ決められた作業方法は枠組足場から見て奥の2枚の足場板は枠組足場から手が届かないため、まず、1人が安全帯を親綱に掛けて張出し足場にのって足場板を固定している番線を切った後奥の2枚の足場板を枠組足場にいるもう一人に手渡し、足場板を受けた者は枠組足場上を移動し、所定の場所に積んでいく。張出し足場にいた者は枠組足場に移動し、枠組足場上から手前の2枚の足場板を枠組足場上に取り込み、集積場所に積む、という作業の繰り返しである。なお、集積場所は5層目の張出し足場上に決めた3箇所であり、足場板をある程度積んだ段階で移動式クレーンで搬出する予定であった。

 当初は被災者等も作業手順どおり二人で組んで作業していたが、どちらともなく一人で作業した方が効率的だと考え、途中からは分かれてそれぞれ一人で作業を始めた。張出し足場の南端から数えて7スパン目8スパン目(以後「4列目」という)が集積場所のひとつであり、単独作業を始めてまもなく被災者は4列目の隣の、同じく南端から数えて5スパン目6スパン目(以後「3列目」という)に敷いていた足場板を南側に動かして足場板の端部の重なりをなくした。当初は3列目の足場板の北端に4列目の足場板の南端20cmほどのっており、足場板の端部が重なっていたら足場板が積みづらい等の理由から積み上げ前に足場板を移動したと推定されるが、この時点で、3列目の足場板は三点支持から(一方は端部、もう一方は中央部付近の)二点支持になっていた。

 被災者が足場板を持って張出し足場上を移動しているとき、3列目の足場板の北側付近を踏んだところ、天秤を食らった状態になり3層目の張出し足場に墜落し、組立中の鉄筋(D32mm)が背中に突き刺さって死亡したものである。なお、被災者は安全帯を装着しており、現場には親綱が張ってあったため安全帯を使用することは可能であったが、安全帯を使用していなかった。

 足場の組立て等作業主任者は選任されていたが、工事全体の責任者も兼ねており、災害発生時には30m以上離れた場所で支保工の位置出し作業を行っていた。
原因と対策
 <原因>
○作業箇所には親綱も張ってあり、被災者自身安全帯を装着していたため安全帯を使用しようと思えばできる状態であったが、安全帯を使用していなかったこと。

○張出し足場の解体直前まで同足場板は三点支持で番線で固定されていたが、被災時は、足場を支えている単管の位置が一方は端部であったがもう一方は足場板の中央部付近であり、不安定な二点支持であったこと。

○二人作業のときは枠組足場上を移動していたが、被災時張出し足場上を移動していたこと。

○足場の組立て等作業主任者の職務のひとつに「安全帯等の使用状況を監視すること」があるが、同作業主任者は離れたところで別の作業をしており、職務を十分に行っていなかったこと。

○足場の解体作業は原則二人作業を行うようにしていたが、作業者独自の判断で単独作業に変えたこと。
 <対策>
◇張出し足場で作業するときはもちろん同足場上を移動するときも安全帯の使用を徹底すること。

◇足場板の三点支持を徹底するとともに一時的に三点支持がとれない場合の安全対策を十分に行うこと。

◇足場の組立て等作業主任者が安全帯の使用状況を十分に監視すること。足場の解体等の作業方法について安全な作業方法を十分に理解させ、現場の判断だけで作業方法を変更しないこと。
<<もどる(京葉分会だより39号)
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