<-前のページへ 新しいページへ->
  屋根上の明かり採り用のFRP板を踏み抜き、高さ12m下の基礎コンクリート床上に墜落。
平成16年1月
船橋労働基準監督署
 本災害は、A(株)関東事業所改修工事に伴う足場の組み立て作業において、被災者が当該事業所の屋根上の明り採りFRP板 を踏み抜き、約12m下の基礎コンクリート床上に墜落し脳挫傷、頭蓋底骨折で死亡した。
 
 本改修工事は、外部の庇の錆止め、防食塗装及び外壁の高圧洗浄、塗装等の工事を行っていた。
 建物の概要は、東西35m、南北38.9mでほぼ正方形を呈している。高さは、14.15mで2階建て、屋根の形状は勾配が20%(11.3度)の切妻型で左右対称で、屋根は全面波状スレートで葦かれており、一部外光を取り入れるために半透明の波状FRP板が取り付けられている。

 足場について、巾が0.6mの枠組み足場を、最大8層、最高高さ14.2mの計画で、建物の南東角、南西角から同時に組み立てを開 始した。組み立て開始してから2日目で足場の組み立てが一部を残しほぼ終了した。
 災害当日は、塗料の飛散メッシュシート(以下「シート」という)の運搬及びシート張りと、一部足場の組み立てを平行して行っていた。
 シート張り作業を午前中、同作業を昼食後から作業を再開した。シートを全足場の半分位張り終えたところで、シートの必要数量を調べるために建物の南側の途中までシートが張っている場所で調べていた。
 この前後に被災者の姿が見当たらなくなっていた。間もなく「ドサ」という音を現場代理人が聞いていること、被災者の倒れていた所の、真上の屋根の採光板が脱落して屋根裏にぶら下がっていたことから屋根の採光板の取り付け金具が破損し墜落したものと思われる。(目撃者なし)

 本来は、屋根上での作業は無いとなっていたが、災害発生後の状況と関係者からの証言、調査結果から被災者は何らかの理由により屋根上で、作業中或いは移動中に厚さ1.2mmでしかも経年劣化により強度が低下しFRP製の採光板が、被災者の体重約82.4kgに耐えきれずに墜落したもの。ただしFRP板が破損した訳でなく取り付け金具が外れて脱落したため。
原因と対策
・この災害の発生原因としては、次のことがあげられる。
1 スレート、木毛板等脆弱な材料で葦かれた屋根で踏み抜きにより労働者に危険を及ぽすおそれがあるのに屋根の上を立入禁止にしていなかったこと。
2 労働者に対してスレート等で葺かれた屋根上に立ち入らないよう教育をしていなかったこと。
3 足場から容易に屋根上に立ち入れるようになっていたこと。
同種災害を防止するためには、次の対策が必要である。
 同種労働災害を防止するためには、次の対策が必要である。
1 スレート木毛板等脆弱な材料で葦かれた屋根で踏み抜きにより労働者に危険を及ぽすおそれがある場合には、屋根の上を全面的に立入禁止とすること。
2 容易に屋根上に立ち入れないよう、屋根側筋交いの間に中さん等を設けること。
3 やむを得ず屋根上に立ち入る場合には
 ・屋根上に幅0.3m以上の歩み板を設ける。
 ・屋根の下に防網を設置する。
 ・屋根上に親網を張り労働者に安全帯を使用させる。
 等の踏み抜きによる労働者の危険を防止するための措置を講じること。
4 工事に着手する前に作業箇所を点検し、危険な箇所と認めた場合には撤去或いは、養生するなどの措置を講じること。
5 危険な屋根上に立ち入らないよう災害防止協議会等の場を利用して、関係労働者に対して教育を実施すること。
<<もどる(京葉分会だより)
<-前のページへ 新しいページへ->